営業事務として働いていた小森咲良さん(仮名)の実話です。
Contents - 目次 -
1.何があったの?
幸せ絶頂の中でよぎる一抹の不安
都内の企業で営業事務として働く小森さん(28歳)
1年前に結婚式を挙げ、程なくして直ぐに第一子を授かりました。
嬉しい気持ちは大きかったのですが、同時に不安もよぎります。
小森さんの会社では、出産後に、職場に復帰した先輩ママの前例がなかったのです。
実は、先輩ママたちは、みんな出産前に会社を退職してしまっていました。
会社の人はいい人が多いし、働きやすい職場と感じていた小森さん。なんでそうなってしまうのか、理由は知らないままでした。
とは言え、自分も妊娠して同じ状況になると、さすがに気になります。
3年前に退職した先輩ママなら何か知っているかもしれないと話を聞いてみることにしました。
そこで知った事実は、残念だけど、納得せざるを得ない現実でした。
先輩ママが教えてくれた厳しい現実
小森さんの会社はそれほど大きな会社ではありません。
職場の人もいい人が多いので、先輩も人間関係に不安はなかったようです。
一方で、仕事については問題がありました。
営業事務の仕事は、常に少人数でギリギリで回している状況です。それは同じように働いている小森さんもよくわかっています。だからこそ、仕事ができなくなることも申し訳なく感じています。
人数ギリギリで回している状況なので、小森さんが抜けるということは、当然新しい人を採用する必要があります。その後が、この会社にとっては問題でした。
新しい人が増えた後に、小森さんが育児休業が復帰したとしたらどうでしょう。
今まで回していた人数に+1人分多くなっています。
小森さんの会社にとっては、その分を上手く回すだけの、人件費の確保や業務の分担が難しい状況にあったのです。
希望を伝えられない遠慮がちな私
先輩ママから話を聞いた小森さんは思いました。
社長にはいつもお世話になっているし、自分の都合で困らせることはできないな。。
大きな会社でもないので、日頃から社長との距離感は近いです。
結婚を報告した時は、社長夫婦と一緒に食事に連れてっていってもらいましたし、お祝いもかなりもらっています。本当によくしてもらっているのです。
理想的なのは、出産後もしばらくしたら会社に復帰できることです。
でも、どう考えても、迷惑が掛かるようにしか思えませんでした。
夫とも相談した結果、変に関係性がこじれるよりは、迷惑をかけずに退職しようというものでした。
そして迎えた退職の日
体調のことも考えながら、出産予定日から余裕をもった2ヶ月前に退職することになりました。
結局、会社には何も相談せず、出産に合わせた退職という形になります。
人間関係も良好で、退職した後も、会社の人たちとはお付き合いがあり、やっぱりこれで良かったと思ってます。
ただそれでも、ふと育児手当(出産手当金・育児休業給付金)のことが話題にあがると、ちょっと羨ましいなと思ってしまうのは事実です。。
みんなは実際どうなの?SNS上の声
小森さんのようなお話は、他の会社でも起こりそうな気がしてしまいますね。
他のみんなはどうなのでしょうか。SNS上の声を見てみました。
女性の転職で重視する点は、20代だと「産休・育休からの職場復帰率」。
裏を返すと、職場復帰できない会社が多いから、こういう項目を重視する。産休育休から復帰できないと、また転職活動しないといけないから、この項目は重要です。
— ニートちゃん就職済#就職Shop#DYM就職#ジェイック#ウズキャリ#既卒#中退#高卒#フリーター (@neetchan7) November 16, 2018
周りの高齢出産したキャリアウーマンママ達は口々に「ある程度の基盤を作らないと産後、職場復帰できないと考え、いざそこから妊娠しようとしたら、なかなか授からず、不妊治療した。」と言っていた。
— 田中真実.com (@tanakamamiheke) October 1, 2015
やはり他の方も職場復帰が難しい状況を感じているようですね。
*本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
こういう時ってどうするのが正解だったの?
企業側は、働く女性が「育児休業」を取得して復職できるような環境を整える努力をすべきです。そうは言っても、今回のような場合、他にいい手立てはなかったのでしょうか。
こんな時は「失業保険」を上手にもらいましょう。(正確には雇用保険の中の基本手当のことです。)
育児手当をもらえなくても、出産後にあらためてお仕事を探す時には「失業保険」をもらうことができます。
ここで、注意したいのが退職の理由です。
今回の小森さんのケースは、遠慮して、仕事を続けたい意思を伝えることもなかったため、「自己都合退職」と判断されてしまいます。一方で、意思を伝えた上で、結果的に難しいから退職するとい形であれば「会社都合退職」の扱いとなります。
この「自己都合」か「会社都合」かによって、失業保険を受け取れる日数に大きな違いが出ます。
働いてきた年数や、収入などで人によるものではありますが、50万円ぐらいの差が出ることも珍しくないのです。
できればメールなどでもいいので、会社から希望を叶えるのは難しいことを告げられた証拠を、残して置くことをお勧めします。
証拠があると、会社側と万が一、意見が一致しなかった時でもハローワークで判断しやすくなります。
まとめ
ポイントを整理します。
言いづらいことなので、あまり表に出ないのでしょうが、小森さんのような経験をした人は少なくないでしょう。是非ほかの人にも小森さんの体験談を共有してあげてください。
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