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失業保険の待期期間とは?待期期間中にできること、できないことを解説

失業保険の「待期期間」とは、申請者が本当に失業状態であるかどうかを判断するための期間です。

この待期期間は通算して7日間必要であり、この7日間は離職理由にかかわらず失業保険を受給できません。

ここでは待期期間中に「アルバイトはできる?」「就職活動は?」「年金の受給は?」などの疑問にお答えしています。

給付制限期間中にアルバイトはできるのか?も紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。

失業保険の「待期期間」とは

失業保険の待期期間とは、ハローワークに求職の申し込みをした後の「通算して7日の失業認定を受けた日」をさします。

この待期期間は離職の理由が自己都合なのか会社都合なのかを問わず、すべての求職者に適用され「求職者が失業状態にあるかどうか」が判断される期間です。

失業保険とは雇用保険の基本手当のことをさし、待期期間を経過し(自己都合退職の場合は給付制限期間の経過も含む)求職活動を行っているのに再就職できない場合に支給されます。

つまり失業保険が支給されるには、まずは再就職できず失業している状態が通算して7日間なければなりません。

「自己都合退職」とは、「正当な理由のない自己都合により離職した者」を指します。

「待期期間」と「給付制限期間」の違い

自己都合で離職した場合は、7日間の待期期間の後に「給付制限期間」という基本手当を受給できない期間があります。

この給付制限期間は令和2年10月1日以降の離職者より、5年間に2回まで2カ月です。

つまり自己都合退職の場合は、離職票を提出し求職の申込みをしてから以下経過後にはじめて基本手当の支給が開始されます。

  • 通算して7日間の失業している日(=待期期間)
  • 2カ月経過(=給付制限期間)
    *正当な理由のある自己都合退職者と懲戒解雇など自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した者を除く

失業状態が判別される7日間の待期期間と、基本手当支給が制限される2カ月間の給付制限期間はまったく異なるものと理解しましょう。

自己都合退職と会社都合退職の違い

  • 自己都合退職とは
    労働者が転職や引っ越しなど個人の都合で退職を申し出た場合
  • 会社都合退職とは
    会社の業績悪化によるリストラや倒産などで労働者が離職余儀なくされた場合

【補足】2020年10月に給付制限期間が3カ月から2カ月に短縮

令和2年10月1日以降の離職者より、自己都合退職した場合の給付制限期間が5年間に2回までは2カ月となりました。

従来自己都合退職した場合、給付制限期間はすべて3カ月でしたが、求職者の再就職活動が円滑に進むようにと、このたび給付制限期間が短縮されたのです。

しかし給付制限期間がすべて2カ月に短縮されるのではありません。
5年間に3回以上自己都合の離職をしている場合など、給付制限期間が従来同様3カ月のケースもあるので注意が必要です。

給付制限期間が2カ月になる場合

令和2年10月1日以降、5年間に2回までの「離職」の場合、給付制限期間は2か月となります。

出典元:厚生労働省 鳥取労働局

令和2年9月30日以前の自己都合による「離職」はカウントされません。令和2年10月1日以降の離職による給付制限期間は2カ月となります。

出典元:厚生労働省 鳥取労働局

給付制限期間が3カ月になる場合

令和2年10月1日以降、5年間に2回以上の自己都合による「離職」の場合、3回目の離職にかかわる給付制限期間は3カ月になります。

出典元:厚生労働省 鳥取労働局

懲戒解雇など自己の責めに帰すべき重大な理由で「離職」した場合の給付制限期間は従来どおり3カ月です。

待期期間中にできること、できないこと

待期期間は、求職者が失業状態なのかを確認するための期間です。
この失業状態が確認されなければ失業保険は支給されませんので、待期期間を満了しないと受給期間がどんどん短くなってしまいます。

失業保険が滞りなく支給されるには、待期期間を失業状態としてスムーズに満了することが大切です。
生活の基盤となる収入の確保が必要な場合もあるので、アルバイトや年金受給など待期期間にできることとできないことを知っておきましょう。

待期期間中にアルバイトしてもいい?

待期期間中にパート・アルバイトをすると、失業状態ではなかったと判断され待期期間にカウントされなくなります。

つまり待期期間中は、パート・アルバイトにかかわらずすべての労働ができません。
求職の申し込みをした後7日間のなかでパート・アルバイトをすれば、そのパート・アルバイトをした日数は待期期間とならず先に持ち越されます。

どうしてもパート・アルバイトをする必要がある場合には、かならずハローワークへ事前に申し出ましょう。

待期期間中にパート・アルバイトをすると待期期間は満了せず先送りされるため、基本手当の支給もその分遅れてしまいます。基本手当の給付日数が残っていても、受給期間が経過すると基本手当は支給されないことに注意が必要です。

待期期間中の就職活動は?

待期期間中の就職活動について制限はありません。

なかには待期期間中に再就職先の内定をもらう場合もあるでしょう。その場合失業保険は支給されませんが、再就職手当は支給されることがあります。

再就職手当は再就職先からの給与と併給されるので、基本手当を全日数受給してから再就職するよりも収入が多くなるケースもあることを覚えておきましょう。

待期期間中に再就職先が決まった場合の再就職手当

待期期間中に再就職先が決まったとき、最初の就業日が待期期間中なのか待期期間満了後なのかで再就職手当を受給できる可能性が異なります。

再就職手当が支給されるためには「求職の申し込みをした後、7日間の待期期間を満了して「就職」「事業開始」した」という支給要件を満たさなければなりません。

この「就職」が意味する日とは、再就職先から内定をもらった日ではなく、再就職先にはじめて出勤する日です。

つまり待期期間中に「再就職先が決まった」「再就職先から内定をもらった」場合でも、再就職先への初出勤日が待期期間満了後であれば、再就職手当が支給されることがあります。

給付制限期間中の再就職手当は支給対象が制限される

自己都合退職の場合は、待期期間満了後に給付制限期間があります。
この給付制限期間がスタートし1カ月以内については、すべての再就職が再就職手当の支給対象ではないことに注意しましょう。

待期期間満了後1カ月以内の再就職は

  • ハローワークの紹介
  • 職業紹介事業者の紹介

によって再就職した場合のみが再就職手当の支給対象となります。
給付制限期間1カ月経過後に再就職した場合は、支給対象の制限はなくなります。

一方会社都合退職の場合は、待期期間満了後の再就職であればそもそも支給対象の制限はありません。

出典元:厚生労働省HP

待期期間中に年金は受給できる?

待期期間中の年金は受け取れません。なぜなら失業保険と年金は同時に受給できないからです。
待期期間中の年金は、全額支給停止となります。

しかし待期期間中は、基本手当が1日も支給されない期間です。この場合、基本手当の支給終了後などに「事後清算による調整」が行われます。

この事後清算によって、待期期間中に受給できなかった年金が遡って支給されるのです。

出典元:厚生労働省北海道労働局

給付制限期間、給付期間中はアルバイトができる

基本手当の給付制限期間や給付期間中はパート・アルバイトをすることは可能です。

両期間中にパート・アルバイトをするときは、収入の有無やその額にかかわらず必ずハローワークに申し出てください。
「失業認定申告書」で、パート・アルバイトをした日やその収入額を正確に申告しましょう。

とくに基本手当の給付期間中に申告せずにパート・アルバイトをすると、基本手当の不正受給になります。
その場合、以後の基本手当が支給停止となるだけではなく、不正受給額の3倍もの額を納めたケースもあるので注意しましょう。

給付制限期間中のアルバイト

給付制限期間中にパート・アルバイトをする場合、認められる範囲や基準をハローワークに確認しましょう。
なぜならパート・アルバイトの日数やトータル時間数などが、基準を満たすものなのかをハローワークが判断するからです。

雇用保険の一般被保険者となる条件を満たすと、そのパート・アルバイトは「就職」とみなされます。

雇用保険の一般被保険者となる条件とは

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上ある
  • 31日以上の雇用の見込みがある

給付制限期間中にパート・アルバイトをする場合は、そのパート・アルバイトが「就職」と判断されないようにしましょう。

給付制限期間中のパート・アルバイトのポイント

  • 1週間の所定労働時間が20時間を超えないこと
  • 一時・短期的な仕事であること

給付期間中のアルバイト

基本手当が支給されている期間中のパート・アルバイトは、収入の有無にかかわらずかならず「失業認定申告書」に記載し申告してください。

なぜならそのパート・アルバイトの労働時間数などによって、基本手当が不支給となったり減額されたりするからです。

「失業認定申告書」の中にカレンダーがあり、原則として「1日に4時間」以上・未満の労働をしたか記入します。

  • 1日4時間以上の労働は「就職または就労した日」に該当:○印を記入
  • 1日4時間未満の労働は「内職または手伝いをした日」に該当:×印を記入

参考:失業認定申告書(一部抜粋)

原則として1日に4時間以上の労働をすると、基本手当は支給されません。
しかしその不支給となった日数分の支給は先送りになるだけで、受給期間内であれば後で支給されます。

まとめ:待期期間中にアルバイトはしてはいけない

待期期間の概念や、待期期間中にできること・できないことについて紹介しました。

待期期間とは失業の認定期間であるため、パート・アルバイトをしてはならない期間と認識しましょう。

生活の困窮などでどうしてもパート・アルバイトが必要な場合は、かならず事前にハローワークに相談してください。

待期期間に失業認定を得られず先に持ち越されると、必然的に基本手当の支給が遅れます。
その場合、受給期間が経過すると基本手当が支給されなくなることに注意が必要です。

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Shahot編集部 【監修】鈴木社会保険労務士事務所

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