そんな人は多いですよね。
ここでは出産手当金について、対象となる人はもちろん、気になる受給金額や受取り時期などを計算例も交えて解説します。
人によって受給金額が異なるので注意してください。
目次と色掛けのところを中心に読んでいただければ5分以内で内容がわかります。
Contents - 目次 -
出産手当金とは
出産手当金とは、子どもの出産のため仕事を休むことになる方に対して、その間の所得保障のため、国から給付金が援助される制度です。
支給対象者(条件)|誰がもらえるの?
前提条件
支給対象となる方は、まず前提として会社に勤め「健康保険」に加入している必要があります。加入されている方を健康保険の被保険者と言います。
健康保険の加入者が対象となり、国民健康保険の方は対象となりません。
任意継続被保険者の方は対象となりません。
任意継続被保険者とは 会社を辞めた後も、加入していた健康保険組合で引き続き被保険者となることを選択した方です。
支給の要件
出産の日以前「42日」、及び出産後「56日」までの間で、労働しなかった期間に、出産手当金は支給されます。
メモ
- 多児妊娠の場合は出産の日以前「42日」が「98日」となります。
- 実際に出産された日が出産予定日より遅れた場合、その分、支給日数が追加されます。
(例)予定日は8/20、出産した日が8/25となった場合
「8/20以前の42日」+「出産した8/25までの5日分が追加」+「その後の56日」となります。
支給金額|いくらもらえるの?(計算例あり)
支給金額
「平均月収の2/3」相当の金額がもらえます。
これを日割りした金額の、前述の日数分が支給されます。
正確には、「支給が始まる日の属する月以前の直近の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額」を平均した額の「30分の1に相当する額」の「3分の2に相当する金額」が、1日あたりの金額となります。
*標準報酬月額はややこしいので今後あらためて情報を追加したいと思います。
満額で受給するための条件
支給金額を満額で受け取るためには、条件がありますので注意してください。
下記のいづれかよって条件が異なります。
- 会社員で出産後も復職予定である方
- 出産を機に退職する予定の方
以下で詳しく見ていきます。
a.会社に出産後も復職予定である方
条件:下記のいづれも満たす必要があります。
・会社に勤め健康保険に加入している被保険者であること
・出産後も同じ勤務先に復帰予定であること
(復帰予定が無く退職される方はb.となります。)
b.出産を機に退職する予定の方
条件:下記のいづれも満たす必要があります。
・退職し、健康保険の資格を失う日までに、1年以上被保険者であったこと(厳密には資格喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこととされます)
・退職し、健康保険の資格を喪失する日までに、出産手当金の給付を受け始めていること
つまり、出産を機に退職する予定の方は、退職前に出産手当金を受給している必要があります。
1年以上勤めた会社であれば、退職後も継続して出産手当金を受給することができます。
受給方法(申請手続き)|どうやったらもらえるの?
申請手続き
妊娠が判明したら勤務先の上司や人事に報告しましょう。
職場によって人事や総務が手続きをやってくれることもありますし、自分で対応しなければいけないこともあります。先にこちらを確認しておくと良いでしょう。
自分で対応される場合、加入している健康保険組合から健康保険出産手当金支給申請書を取り寄せる必要があります。
必要書類はあなたの就労状態によっても異なります。職場もしくは健康保険組合から説明を受けると思いますが、主に必要なものは下記の通りです。
必要な書類
- 健康保険出産手当金申請書
- 母子手帳のコピー
- 健康保険証のコピー
- 事業主の証明書類
事業主の証明は勤務先で用意してもらいます。
必要書類をまとめて産後に健康保険組合へ提出することになります。
支給日(いつもらえるのか)
支給金額を受け取れるのは出産から数ヶ月後となります。
出産後に申請書を提出し、産後休業(出産から8週間[56日])後に申請が受理され、受理された後に健康保険組合から支給されるまで1~2ヶ月ほど掛かることもあるため、おおよそ数ヶ月ほどと考えておいた方がよいでしょう。
直ぐに受け取れるものではないので注意しましょう。また、申請期限は2年なので、その間に忘れずに申請してください。
傷病手当金を受給する場合
出産手当金を受け取られる方が、病気や怪我をして傷病手当金を受給されている場合は、傷病手当金の方が一度支給停止となります。
出産手当金と傷病手当金の両方を同時に受給することはできないので該当される方は注意しましょう。
よくある疑問 Q&A
Q1.産休中に退職した場合は、出産手当金はもらえなくなるのでしょうか?
A1.条件を満たしている方は、退職後も出産手当金を受給することができます。前述の『満額で受給するための条件』b.でも触れましたが、下記2点を満たしている必要があります。
- 退職前に健康保険に1年以上加入していること
- 退職までに出産手当金を受けていること
Q2.自分の支給金額を詳しく知りたいのですがどうしたらいいでしょうか?
A2.基本給や手当で付いている収入を元に、標準報酬月額を算出する必要があります。これにより正確な金額が異なってきます。
*今後こちらについても詳細な情報を追加したいと思います。
Q3.派遣社員ですが出産手当金を受給できますか?
A3.派遣の方でも受給可能です。
但し、受給できるかどうかは、あなたの就労条件によって異なりますので、派遣元会社に相談してみるのがよいでしょう。
例えば、派遣先との契約期間が出産予定の42日より前で満了してしまい、次の更新もしくは別の派遣先で仕事が決まらなかった場合は、出産のために仕事を休んでいる期間ではなく、単に仕事が無い状態とみなされるため、支給対象とはなりません。。
只、そんな人は失業手当の受給期間延長制度が使えるのでこちらを活用してください。
Q4.育児休業給付金と出産育児一時金とは違うのでしょうか?
A4.全く違う制度となります。
支給内容や対象者も異なるので、詳細はそれぞれの記事でご確認ください。
関連記事育児休業給付金|受給金額の計算や支給日【期間延長も】
関連記事出産育児一時金|支給金額や申請手続き【帝王切開は?】
まとめ
出産育児一時金と異なり、健康保険の加入者でないと受け取れません。
また現在の収入によって支給金額が異なるので、みんな一緒ではなく人によって違う、ということを注意しないといけませんね。
あらためて下記にポイントを整理します。
ココがポイント