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【失業保険】職業訓練とは?メリット・デメリットを解説

12月 4, 2019

 

【失業保険】職業訓練とは?メリット・デメリットを解説

  • 職業訓練ってなに?
  • どんな人に向いているの?
  • 手続き方法は?

こんな疑問に回答します。

職業訓練とは

失業保険の受給者が、再就職をしやすくするための、スキルアップを支援する制度です。

対象者は、再就職に必要な”職業スキル”や”知識”を習得するための訓練を、無料で受講することができます。(選択した訓練により、必要なテキスト代などは別途発生します。)

正式名称は、公共職業訓練(ハロートレーニング)です。

また、失業保険の受給者を対象とする「公共職業訓練」のほか、失業保険が受給できない求職者を対象とする「求職者支援訓練」も設けられています。

「求職者支援訓練」は、失業保険の受給期間が終了した人も対象です。

職業訓練の対象者(条件)

職業訓練の対象者は、失業保険の受給者であるか否かで、条件がやや異なります。

「公共職業訓練」の対象者

失業保険の受給者であること、が条件となります。

*正確には、雇用保険の中の「基本手当」の受給者です。

「求職者支援訓練」の対象者

失業保険の受給者でない人、が対象となります。

具体的には、下記のケースが該当します。

  • 雇用保険の加入期間が足りず失業保険の給付を受けられなかった方 *
  • 雇用保険の適用がなかった方
  • 失業保険の受給が終了した方 *
  • 学卒未就職者や自営廃業者の方など

*正確には、雇用保険の中の基本手当のことを指します。

失業保険をもらえない人でも、スキルアップのために国が支援をしてくれるのは助かりますね!

職業訓練時の手当

職業訓練の受講時には、訓練中の経済支援のための制度があります。

条件を満たせば、各種手当を受けられます。

「公共職業訓練」受講時の手当

  • 失業保険の延長給付
  • 通所手当

「求職者支援訓練」受講時の手当

  • 職業訓練受講手当
  • 通所手当
  • 寄宿手当

失業保険は、退職前の給与の50〜80%がもらえます。(60歳以上65歳未満は45〜80%)

「失業保険の延長給付」は、その名の通り、原則の受給期間が延長される制度です。

公共職業訓練を受講した場合は、下記の日数が延長されます。

  • 受講前日までの90日間
  • 受講期間中(最大2年まで)
  • 受講後、就職困難と認められた方に限り最大+30日

受講後の+30日の延長については、訓練を受け終わる時点で、残りの支給日数が30日に満たない方が対象となります。

失業保険の詳細は、関連記事もご確認ください。

関連記事【保存版】失業保険の受給条件と金額の違い|計算例もチェック!

尚、その他の手当については下記の通り支給されます。

職業訓練受講手当:月額10万円が支給

通所手当:職業訓練の場所までの経路に応じた所定の金額(上限あり)

寄宿手当:10,700円

受給条件の詳細は、厚生労働省のホームページよりご確認ください。

職業訓練の種類

「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」で対象は異なりますが、それぞれで様々な種類が用意されています。

公共職業訓練

主に「施設内訓練」「委託訓練」の括りに分かれます。

「施設内訓練」の一例

  • 住宅デザイン
  • 電気設備技術
  • 自動車整備

「委託訓練」の一例

  • 介護サービス
  • 簿記会計
  • PCスキル

訓練期間は、種類にもよりますが、3ヶ月〜1年となります。

求職者支援訓練

こちらも様々ありますが、公共職業訓練よりも期間が短く、種類が多いです。

訓練期間は、2ヶ月〜6ヶ月です。

具体的な訓練情報は、下記のサイトより検索できます。

職業訓練のメリット・デメリット

職業訓練を受講する際にはメリットとデメリットがあります。

メリット

  • スキルアップしながら手当をもらうことができる
    学びながら手当をもらえるなんて一石二鳥ですね。
  • 再就職先の選択肢が広がる
    スキルや経験がないと就職できなかった企業にも、就職できる可能性が生まれます。
  • 生活リズムが整う
    失業中は自分を厳しく律しない限り、生活リズムが乱れがちですが、職業訓練を受けることで、リズムが整います。再就職した時にもリズムは崩れていない方が、新しい生活に馴染みやすいですね。

デメリット

  • 一定の訓練期間がある
    職業訓練が開始すると、必ず受講期間が決まってますので、その期間は職業訓練に専念しなければいけません。逆に言えば、新たな職に就くまで期間が空いてしまうとも言えます。
  • 選択肢には限りがある
    職業訓練で受けられる種類には限りがあります。必ずしも望むスキルアップのための訓練が用意されているとは限りません。また、望むものがあったとしても、受講期間は決まってますので、タイミングが合わないということもありえます。

職業訓練の申請手続き

職業訓練を受講するまでのステップをご紹介します。

step
1
ハローワークへ行く

離職状態を伝えます

step
2
求職の申込み・職業相談をする

どういった職業訓練が向いているのか相談したり、自分に合ったものを探します。

step
3
受講申込み

受講の申込みをします。

step
4
選考を受ける

受講資格があるか、面接や筆記試験で選考が行われます。

step
5
選考結果の通知

合格の通知を受け取って、ハローワークへ手続きに向かいます

step
6
受講あっせん

ハローワークの職業相談を通して、職業訓練が必要であり、訓練を受けるために必要な能力を持っていると認められれば、受講のあっせんを受けられます。

step
7
職業訓練の開始

職業訓練(ハロートレーニング)の受講開始です。

まとめ:職業訓練は無料!手当までもらえる!

ポイントを整理します。

  • 職業訓練は原則無料で受けられる
  • 職業訓練を受けながら手当ももらえる
  • 退職前の給与の50〜80%が手当になる
  • 職業訓練にはデメリットもある

職業訓練を受ける際には、自分が就きたい職業は本当に訓練を受けないと就けないかどうか、あらためて考えてみましょう。

その上で、望む職業訓練が実施されているのであれば、受けた方が良いと言えます。

デメリットも理解した上で、受講を判断できるといいですね。

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Shahot編集部 【監修】鈴木社会保険労務士事務所

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