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失業保険の申請期限はいつまで?期限が過ぎても申請可能な給付

失業保険が支給される期間は決まっており、その期間は受給期間といわれます。

失業保険の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年間です。

申請から失業保険が給付されるまでには待期期間や給付制限期間があり、申請してすぐに支給されるものではありません。

ここでは失業保険(基本手当)の申請期限をメインに自己都合退職の場合と会社都合退社の場合に分け、詳しく解説します。申請が遅いと受給期間(=給付日数)が短くなってしまうなど、失業保険の申請期限でお困りの方はぜひご一読ください。

失業保険(基本手当)の申請期限

失業保険とは雇用保険の基本手当のことをさし、失業手当とも言われています。

この基本手当の申請は、何カ月後までに行うといった期限はありません。
しかしこの基本手当が支給される期間(=受給期間)は、離職日の翌日から原則1年間となっています。

この1年間のなかで待期期間や、自己都合退職の場合は基本手当の給付が制限される期間(=給付制限期間)を経なければなりません。さらに待期期間や給付制限期間が経過した後、同じ1年の間に基本手当も受給しなければならないのです。

そのため基本手当の申請が遅くなると、その分受給期間が短くなってしまうことに注意が必要となります。

退職後は速やかに失業保険の申請を行いましょう。

給付日数は離職理由により変わる

失業保険は雇用保険の基本手当として、受給期間内に失業していることの認定を受けたときに支給されるものです。

この基本手当を受給できる日数は、離職理由や離職日の年齢・雇用保険の被保険者期間によって異なります。

被保険者期間は会社の勤続年数とは異なり、1カ月のうちに以下のどちらかを満たさなければカウントされません。

■被保険者期間算出のポイント
✓賃金支払基礎日数が11日以上
✓賃⾦⽀払の基礎となった労働時間数が80時間以上
*この算定方法の対象者は「離職⽇が令和2年8⽉1⽇以降の者」です。
賃金支払基礎日数とは?
基本的に基本給の支払い対象となっている日数のことです。

被保険者期間の支給要件は、離職理由によって異なることにも注意が必要です。

自己都合退職の場合

自己都合退職とは、労働者が転職や引っ越しなど個人の都合で退職を申し出た場合です。

■自己都合退職の場合、離職票を提出し求職の申込みをしてから以下経過後にはじめて基本手当の支給が開始されます。
7日間の失業している日(=待期期間)
2カ月経過(=給付制限期間)
*正当な理由がない自己都合退職した場合で5年間のうち2回まで
*対象者は令和2年10月1日以降の離職者
*懲戒解雇など自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した者を除く

基本手当が支給されるには被保険者期間の要件を満たす必要があり、離職⽇以前の2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上なければなりません。

基本手当の所定給付日数は被保険者期間に応じ90~150日となります。
*離職日の年齢が65歳未満の者に限り、就職困難者を除く。

 出典元:厚生労働省HP 基本手当の所定給付日数

2カ月の給付制限期間とは

令和2年10月1日以降に正当な理由がない自己都合退職をした者は、5年間のうち2回まで給付制限期間が2カ月となりました。

国が推進する「働き方改革」により、求職者が安心して再就職活動できるよう改正されたのです。

従来正当な理由のない自己都合退職の給付制限期間は3カ月でしたので、1カ月短縮されたことになります。

ただし懲戒解雇など自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された者の給付制限期間は、従来どおり3カ月です。

特定理由離職者とは

特定理由離職者とは「契約更新がなかった」ことや「正当な理由がある」ことで自己都合退職した者をさします。

「正当な理由がある自己都合」とは、離職理由などを勘案しハローワークが特定理由離職者と判断した場合に限ります。

■「正当な理由がある自己都合」の主な理由 (抜粋)

  1. 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷等により離職した者
  2. 妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長の措置を受けた者
  3. 家庭の事情が急変したことにより離職した者
  4. 通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
  5. 企業整備による人員整理等で希望退職に応じて離職した者(一部例外あり)

出典元:厚生労働省HP 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

■ポイント
✓自己都合退職でも「特定理由離職者」とハローワークが判断すれば2カ月の給付制限期間がなくなります。
✓被保険者期間の要件も「離職⽇以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あること」が適用されます。


退職理由が「55歳を超える私には体力的につらかった」「業務負荷による躁うつ病の症状悪化が顕著だった」との自己都合によるものでも、各々「体力の不足」「心身の障害」という「正当な理由がある自己都合」と判断されれば、2カ月の給付制限期間はありません。

*正当な理由に該当するかの考え方・判断は所轄のハローワークによって異なるため、事前に問い合わせするのをオススメします。

新型コロナウイルス感染症による特定理由離職者の特例措置

新型コロナウイルス感染症にかかわる理由で自己都合退職した方が、「特定理由離職者」となる特例措置が出ました。

■ポイント
✓給付制限期間が適用されません。
✓すでに給付制限期間中の者も、給付制限期間が適用されなくなります。

令和2年2月25日以降に自己都合退職した方が対象です。

■新型コロナウイルス感染症特例措置により特定理由離職者となる場合

  1. 同居家族が新型コロナウイルス感染症に感染し、看護や介護が必要となり自己都合退職した
  2. 感染拡大防止や重症化防止から以下理由で自己都合退職した
    職場で感染者が発生した
    ・基礎疾患がある
    ・妊娠中
    ・高齢
  3. 新型コロナウイルス感染症の影響で学校などに通園・通学する子どもの養育が必要になり自己都合退職した

詳細は所轄のハローワークに問い合わせすることをオススメします。

■参考:厚生労働省千葉労働局 雇用保険を受給中の皆様へ 新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例について

就職困難者とは

自己都合退職でも「就職困難者」とハローワークが判断すると、基本手当の所定給付日数が変わります。

就職困難者とは以下のいずれかに該当する者です。

就職困難者とは

  1. 身体障害
  2. 知的障害者
  3. 精神障害者
  4. 刑法等の規定により保護観察に付された者
  5. 社会的事情により就職が著しく阻害されている者

出典元:厚生労働省HP よくあるご質問(雇用保険について)

被保険者期間の要件は「離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あること」になります。

就職困難者の基本手当の所定給付日数は被保険者期間に応じ150~360日です。

失業保険の申請期限

出典元:厚生労働省HP 基本手当の所定給付日数

特定理由離職者と就職困難者の両方に該当する場合

離職者が特定理由離職者と就職困難者の両方に該当する場合は、給付制限期間なく就職困難者の所定給付日数が支給されます。

就職困難者は通常、自己都合退職者と同じ2カ月の給付制限期間が必要です。

しかし特定理由離職者と判断されると2カ月の給付制限期間がなくなります。

つまり特定理由離職者と就職困難者の両方に該当する場合は、7日間の待期期間経過後に就職困難者の基本手当が支給されるのです。

会社都合退職の場合

会社都合退職とは、会社の業績悪化によるリストラや倒産などで離職を余儀なくされた場合です。

会社都合退職の場合、離職票を提出し求職の申込みをしてから、7日間の失業している日(=待期期間)経過後に基本手当の支給が開始されます。

被保険者期間の要件は、離職⽇以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あることです。

基本手当の所定給付日数は被保険者期間に応じ90~330日となります。
*離職日の年齢が65歳未満の者に限り、就職困難者を除く。

失業保険の申請期限

出典元:厚生労働省HP 基本手当の所定給付日数

*特定理由離職者のうち所定給付日数が会社都合退職と同様となる場合があります。

  • 特定理由離職者のうち契約更新がなかったことで離職した者
  • 離職日が「2009年3月31日~2022年3月31日」の者

期限が過ぎても2年以内なら申請可能な給付

雇用保険には申請期限を過ぎてしまった場合でも2年間の時効期間内であれば申請可能な給付があります。

雇用保険では「失業等給付」として4種類の給付を行い、求職者給付に属する基本手当以外にもさまざまな給付が存在します。

  • 求職者給付
  • 就職促進給付
  • 教育訓練給付
  • 雇用継続給付

今まで申請期限経過で給付されなかった方は再申請をしましょう。

その申請日が給付の時効完成前で、給付金の要件を満たしていれば給付金が支給されます。

対象となる給付

対象となる給付は「労働者や求職者自身が申請する給付」と「会社が申請代行する給付」に大別されます。

■労働者や求職者自身が申請する給付

労働者や求職者自身が申請する給付
(求職者給付)
(就職促進給付)
(教育訓練給付)

未支給等失業等給付
就業手当
再就職手当
就業促進定着手当
常用就職支度手当
移転費
広域求職活動費
短期訓練受講費
求職活動関係役務利用費
一般教育訓練に係る教育訓練給付金
専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金
教育訓練支援給付金

■会社が申請代行する給付

会社が申請代行する給付
雇用継続給付)
高年齢雇用継続基本給付金
高年齢再就職給付金
育児休業給付金
介護休業給付金

会社が申請代行する給付金を、手続遅延で受給し損なったことがあるかもしれません。

その際2年間の時効期間内であれば申請可能ですので、会社に問い合わせてみましょう。

基本手当は2年間の時効申請期限の対象ではありません

基本手当は未支給失業等給付を除き、2年間の時効期間内申請対象ではありません。

基本手当には受給期間を離職日翌日から最長4年まで延長できる、受給期間の延長制度があるからです。

受給期間内に出産に伴う就業制限があるなどの理由で、引き続き30日以上職業に就けない場合に活用できます。

受給期間を延長できる理由

  • 疾病
  • 負傷
  • 妊娠
  • 出産
  • 育児など

平成29年4月1日以前に申請を行ったが、申請期限を過ぎてしまい受給期間が延長されなかった場合もあるでしょう。

延長可能となる場合もありますので、所轄のハローワークに問い合わせすることをオススメします。

失業保険は離職後になるべくはやく申請しよう

失業保険の申請期限や、期限が過ぎても申請可能な雇用保険の給付について紹介しました。

失業保険の場合待期期間や給付制限期間があるので、申請が遅くなるとその分受給期間が短くなります。

離職後は速やかに失業保険の申請を行いましょう。

また会社が申請代行する雇用継続給付は、申請期限を過ぎてしまい受給できなかった場合も想定されます。

ぜひこの機会に雇用保険の給付について再確認してみましょう。

このコラムが皆さまの一助となれば幸いです。

 

 

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Shahot編集部 【監修】鈴木社会保険労務士事務所

Shahot編集部です。 わかりづらいことが多い社会保障制度。誰でもわかりやすく、使いやすくなるような情報を発信します。 社会保障の専門家である社会保険労務士が記事を監修しています。 [→Shahotとは

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