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失業保険の受給期間は延長はできるの?その条件や申請方法を解説

9月 7, 2021

失業保険の受給期間は、正当な理由と認められれば最大4年まで延長可能です。

この受給期間延長の手続きについて、条件や申請方法・必要書類をまとめました。

またそのほか

  • 傷病手当金を受給している場合
  • 職業訓練を受講している場合

の延長手続きについても紹介しています。

新型コロナウイルスの影響で設けられた特例についても解説していますので、どうぞ最後までご覧ください。

失業保険の受給期間を延長するには

失業保険の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年間です。

しかし正当な理由により引き続き働くことのできない状態が30日以上続くと、その期間の失業保険は受給できなくなります。

そこでハローワークに受給期間延長の手続きをすることで、受給期間に働くことができない期間を加えることが可能です。

受給期間は最長4年まで延長できます。

受給期間1年間 + 働くことができない期間(最長3年) ≦ 4年

受給期間を延長できる条件

受給期間延長のための正当な理由と認められる条件には、以下の条件があります。

  1. 妊娠、出産、育児(3歳未満)で働くことができない場合
  2. 病気、ケガで働くことができない場合
  3. 家族や親族の看護・介護で働くことができない場合
  4. 配偶者の海外赴任に同行するため働くことができない場合
  5. 海外派遣など一定のボランティアを行う場合
  6. 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した特例対象者の場合
  7. 60歳以上の定年を迎え休養する場合

働ける状態になるまで失業保険の受給を持ち越し、働くことができない日数分を最長4年まで加算延長できる仕組みです。

ただしその理由によって、受給期間の加算期間が異なることに注意しましょう。

上記正当な理由「6」の場合

1年間の受給期間にプラスできる「働くことができない期間」は最長3年

受給期間1年間 + 働くことができない期間(最長3年) ≦ 4年

上記正当な理由「7」の場合

1年間の受給期間にプラスできる「休養したい期間」は最長1年

受給期間1年間 + 休養したい期間(最長1年) ≦ 2年

延長申請の方法と必要書類

ここでは受給期間延長申請の具体的な方法について解説します。

受給期間を延長しなければならないご状況。

ご本人様のハローワーク来所が困難なこともあるでしょう。

その場合、郵送や代理申請もありますのでぜひご活用ください。

いつまでに申請が必要?

以前は働くことのできない状態が30日経過した日の翌日から、1カ月以内に受給期間延長申請が必要でした。しかし2017年の改正により、申請期限は延長後の受給期間最終日までとなったのです。

  • 上記正当な理由「1-6の場合」のみ適用
  • 上記正当な理由「7. 60歳以上の定年を迎え休養する理由」で受給期間延長する場合の申請期間は、離職の日の翌日から2か月以内になります。

つまり延長後の受給期間が4年であれば、4年を経過する日まで申請が可能となりました。

ただし受給期間延長申請が遅いと、延長した受給期間のなかで失業保険(=基本手当の所定給付日数)のすべてを受給しきれないことに注意が必要です。

受給期間延長申請のポイント

  • 延長した受給期間が経過すると基本手当は支給されない
  • できるだけ早急に申請する

必要書類・持ち物

申請に必要な書類を以下リストにまとめました。注意点も記載しましたので併せてご確認ください。

必要書類注意点
受給期間延長申請書・ハローワークで配布される。
・申請書は複写式なのでダウンロード不可。
・郵送や代理人申請の場合はハローワークに電話して取り寄せること。
雇用保険被保険者離職票-2受給資格の決定後の場合は受給資格者証が必要。
本人の印鑑・認印可。
・スタンプ印不可。
・受給期間延長申請書に使用。
・捺印漏れがなければ持参不要。
・郵送申請の場合も上記同様。
・捺印漏れがなければ同封不要。
延長理由を証明する書類上記正当な理由「1-6の場合」のみ
・妊娠、出産、育児の場合は母子手帳
・病気・ケガの場合は診断書
・医療明細書など
続柄や年齢を確認できる書類上記正当な理由「6の場合」のみ
(新型コロナウイルス感染症の影響で子の養育が必要となった方が対象)
母子手帳の写しや世帯の住民票など
身分証明書雇用保険被保険者離職票-2に記載されている「住所」と「名前」が現在と異なる場合に必要。
返信用封筒(郵送の場合)・郵送で提出する場合必要。
・受給期間延長にかかわる書類一式内に、返信用封筒が同封されているハローワークもある。
委任状(代理人申請の場合)・代理人申請の場合に必要。
・フォーマットはない。
・委任する項目を必ず書くこと。

*フォーマットが用意されていたり、委任状への記載事項が明確になっているハローワークもあります。
詳細は所轄のハローワークへ問い合わせしてください。

申請方法

上記必要書類が揃いましたら、ハローワークの窓口で受給期間延長申請を行います。
受給期間延長申請の方法は3通りです。

  1. 本人がハローワークへ来所する
  2. ハローワークへ郵送する
  3. 代理人により申請する

*上記正当な理由「7. 60歳以上の定年を迎え休養する理由」で受給期間延長する場合は、原則として本人がハローワークへ来所しなければなりません。

受給期間延長申請書は複写式となっているためダウンロードできません。
郵送や代理人申請をご希望の場合は、ハローワークに問い合わせし取り寄せてください。

また代理人申請の場合、申請者本人と代理人の身分証明書(コピー不可の場合もあります)が必要になります。

傷病手当金を受給している場合

健康保険の傷病手当金を受給している場合は、失業保険を同時に受給できません。

なぜなら傷病手当金受給中は、上記正当な理由「2. 病気、ケガで働くことができない場合」に該当するからです。

病気やケガが落ち着き就職活動を行うころ、生活をサポートしてくれる失業保険があるとないでは大きな違いがあります。

受給期間を最長4年まで延長できるメリットは計り知れません。
ぜひ受給期間の延長申請を行いましょう。

職業訓練を受講している場合

公共職業訓練などを受講する場合は、失業保険が延長して支給されます。

これは訓練延長給付といわれる、公共職業訓練などの受講者を支援するための給付です。
再就職のために必要と判断された公共職業訓練などを受講すると、その受講者の失業保険が延長支給されます。

訓練延長給付の期間は公共職業訓練などの受講期間に限らず、その前後を含めた次の3つの期間が支給対象です。

  1. 公共職業訓練などを「受講する前」の待期期間 (90日間が限度)
  2. 公共職業訓練などを「受講中」 (2年が限度)
  3. 公共職業訓練などを「受講した後」 (30日が限度)

上記③の「受講した後」の訓練延長給付は「終了後手当」とよばれます。

終了後手当の対象は、

  • 公共職業訓練などの受講が終了していること
  • 再就職が困難だとハローワークの所長が認めた場合

に限り支給されます。

新型コロナウイルスの影響で設けられた特例について

2020年以降新型コロナウイルス感染症の影響により、失業したり就業できない状況が長期化する人の支援が必要となりました。

その失業保険にかかわる特例支援は主に3つあります。

  1. 受給期間の延長
  2. 給付期間の延長
  3. 給付制限期間の対象外

上記①は、とくに新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点による保護が目的です。

この特例について、以下順を追って解説します。

受給期間が最大3年まで延長できる特例

新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置として、受給期間が延長できるようになりました。

受給期間延長の正当な理由と認められる条件に追加されたからです。

受給期間が延長できる理由は以下3つで

  1. 新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐためハローワークへの来所を控える場合
  2. 新型コロナウイルスに感染疑いの症状がある場合
  3. 新型コロナウイルス感染症の影響で、保育園などに通園する子や学校などに通学する子の養育が必要となった場合

前述の失業保険の受給期間延長と同じように、最大4年まで延長できます。

受給期間1年間 + 新型コロナの影響で働くことができない期間(最長3年) ≦ 4年

給付期間が最大60日間延長となる特例

失業保険の給付日数が60日延長となる特例が設けられました。

この給付日数の延長は、新型コロナウイルスの影響により

  • 失業した方
  • 求職活動が長期化する方

の支援を目的としています。

対象者は令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる方です。

■特例延長給付リーフレット(令和3年7月29日までに失業保険の支給が終了する方)

【出典元】神奈川労働局 神奈川ハローワークHP 「特例延長給付リーフレット(3.7.29までに支給終了)」

■特例延長給付リーフレット(令和3年7月30日以降に失業保険の支給が終了予定の方)

【出典元】神奈川労働局 神奈川ハローワークHP 「特例延長給付リーフレット(3.7.30以降支給終了)」

ただし以下該当者については、失業保険が延長される給付日数は30日となります。

  • 35歳以上45歳未満で所定給付日数270日の方
  • 45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の方

給付制限期間が対象外となる特例措置

新型コロナウイルス感染症にかかわる理由で自己都合退職した方が、「特定理由離職者」となる特例措置が出ました。

つまり特定理由離職者となることで、給付制限期間が適用されなくなります。

また給付制限期間中の方も、給付制限期間が適用されません。

令和2年2月25日以降に自己都合退職した方が対象です。
詳細は所轄のハローワークに問い合わせすることをオススメします。

参考

  1. 同居家族が新型コロナウイルス感染症に感染し、看護や介護が必要となり自己都合退職した
  2. 感染拡大防止や重症化防止から以下理由で自己都合退職した
    • 職場で感染者が発生した
    • 基礎疾患がある
    • 妊娠中
    • 高齢
  3. 新型コロナウイルス感染症の影響で学校などに通園・通学する子どもの養育が必要になり自己都合退職した

失業保険の延長制度を正しく活用しよう

失業保険の延長制度について、申請方法や新型コロナウイルス感染症の特例措置とともに紹介しました。
失業保険の延長制度は、やむを得ず働くことができない期間を支援する制度です。

延長申請を行う場合、原則としてハローワークの窓口受付となります。
しかしその延長理由によっては、郵送受理や代理人申請が認められるケースもあるのでぜひ活用しましょう。

失業保険の延長制度を正しく理解し活用することが大切です。
ぜひ、わからないことは所轄のハローワークに問い合わせをしてみましょう。

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Shahot編集部 【監修】鈴木社会保険労務士事務所

Shahot編集部です。 わかりづらいことが多い社会保障制度。誰でもわかりやすく、使いやすくなるような情報を発信します。 社会保障の専門家である社会保険労務士が記事を監修しています。 [→Shahotとは

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