高額療養費制度は、今まで大きな病気に掛かったことがない人は、あまり聞きなれないかもしれませんね。
- 高額療養費制度って何?
- 高額療養費ってどんな時が対象になるの?
- 出産時の費用って関係あるの?
こんな疑問についてお答えしていきます。
Contents - 目次 -
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、病気や怪我で高額な出費が必要となった場合に、
費用負担の上限を定めて、ここまで支払ってくれればいいよ、
あとは国で負担するよ、という制度です。
この時、費用はまず最初に自分ですべて負担する必要はあります。後日、申請によって、上限を超えた部分を、支給されるものとなります。
対象者(条件)|私は該当する?
前提として「健康保険」または「国民健康保険」に加入していることが条件となります。
その名の通り、"高額"療養なので、一定の金額以上支払いが発生した人が対象となります。
また、収入額に応じて、「高額」とみなされる金額が異なります。
どんな時にいくら負担してもらえるか(限度額)
具体的には、例えば、月収でだいたい30〜50万円の方の場合は、
上限の負担額が8万円ほどになります。
この前後の収入に応じて、全部で5段階にテーブルが分かれています。
およそ8万円以上を超える医療費が発生した月は高額療養費制度の対象となりそうです。
この時、医療費は1ヶ月で発生したものを合計して判断しますが、医療期間ごとの費用で21,000円以上のものからカウント対象となります。(これより小さい金額は対象とならないのです。)
また、この制度は世帯で合算することができます。あなたが被保険者だとすると、あなた以外の被扶養者に掛かった医療費を合算することができるのです。
医療費のカウント基準ですが、さらに補足すると、下記の基準が設けられています。
- 医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来にわけて計算します。
- 医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。
さらに詳しく知りたい方は、下記を参考にしてみてください。
申請手続き|どうやったら適用されるの?
申請手続きには、2つの方法があります。
①はじめから高額になるとわかっている場合は、事前の手続きで「限度額適用認定証」を交付してもらう方法
②結果的に高額となってしまった場合は、事後に「高額療養費支給申請書」にて申請の手続きをする方法
限度額適用認定証を交付してもらう場合
保険者(健康保険組合、国民健康保険は市町村など)へ、限度額適用認定証を申請してください。保険者から交付されたら、それを医療機関の窓口へ提出しましょう。
そうすることで、窓口での負担が、はじめから自己負担の限度額分までの支払いで済みます。
高額な医療費をまとめて用意する負担がなくなりますね。
高額療養費支給申請書にて申請を行う場合
はじめから高額になることが予想できなかった場合は、「限度額適用認定証」は間に合いません。。
その場合は、窓口で一旦すべて負担する必要があります。
後日、保険者(健康保険組合、国民健康保険は市町村など)へ申請して、限度額を超えた分の払い戻しを受けましょう。
申請先は各保険者によって異なります。各保険者に確認してください。
主に必要なもの
支給を受けるまでは、診療から3ヶ月以上かかると言われています。
直ぐに手に入らないので注意してください。
高額療養費貸付制度を利用しよう
突然の高額な医療費、まとまったお金を用意するのは大変ですよね。
そんな方のために、この制度はあります。
高額療養費で払い戻しを受ける予定の金額の8割を無利子で借りることができるのです。こちらを利用することで急な医療費の出費に対処しましょう。
各保険者によって申請窓口や申請方法がことなるため、保険者に問い合わせてみてください。
出産費用は「高額療養費制度」の対象となるのか
対象となるものと、ならないものがあります。
自然分娩は対象外です。
一方で、帝王切開や吸引分娩、鉗子分娩などは対象となります。
要は何も問題なく出産した場合は、対象とならず、何かしら医療行為を伴う必要が生じたものは対象となるのです。
まとめ
ポイントをおさらいします。
- 高額療養費のおかげで自己負担は上限額までの支払いで済む
- 急な医療費の出費は事前申請か貸付制度で軽減できる
- 出産も予期せぬ医療行為が生じたら対象になる
万が一の時でも、この制度のおかげで安心ですね。但し、そうは言っても、ある程度は蓄えを持って、将来に備えましょう。
*70歳以上はまた異なる内容が適用されるので今後情報を追加していきます。