年金

厚生年金保険料が高い?金額の計算方法まで仕組みをやさしく解説

11月 11, 2019

 

厚生年金保険料

会社に勤めると、毎月、厚生年金の保険料が、お給料から天引きされている人が大半ですよね。

  • そもそも厚生年金保険ってどういう仕組みなの?
  • 天引きされている保険料が高い気がするのですがこれって適正なの?
  • 保険料の金額はどんな計算で決まっているの?

こんな疑問を解消できればと思います。

厚生年金保険とは

厚生年金保険は、会社に勤めると加入するもので、毎月、国に一定の保険料を納めることで、会社員の方の万が一に備え、国が一定の給付を支援するものです。

誰もが知っている老後の年金のほか、障害を負った場合や、死亡により遺族の生活を手助けするための制度があります。

厚生年金保険の加入対象者(条件)

基本条件

会社に勤めると、ほとんどの方が加入するのが一般的で、70歳未満の人が対象になります。

但し、一部対象とならない人もいるので、下記にまとめます。

会社側の条件

前提として、会社側は一定条件に当てはまれば、厚生年金保険に強制的に加入しなければいけません。

強制適用事業所の条件:

  • 法人であること
  • 常時5人以上を雇用する個人事業(一部業種を除く)

法人は必ず加入、個人事業でも常時5人以上働いている人がいるところは加入するのが原則です。

ちなみに一部対象から外れる業種ってどんなところがあるのですか?

農林水産業や、サービス業、法務業なんかが該当しますよ。

労働者側の条件

会社が該当しても、その中で働く人は、労働条件によって適用が異なります。

・70歳未満は、国籍、性別、年金の受給有無に関わらず被保険者となります。

・「常時使用関係」にあれば被保険者となります。

パート、アルバイトの場合

パート、アルバイトの方も「常時使用関係」にあれば被保険者となります。

「常時使用関係」ってどういった状態ですか?

所定労働時間」および「所定労働日数」が一般社員の方の4分の3以上である場合は、「常時使用関係」にある、と定義されます。

この場合、正社員ではなくても、パートであろうがアルバイトであろうが、被保険者となるのです。

ちなみに、法人の代表者や役員の方も、厚生年金保険は適用されます。また試用期間中であっても、適用されます。

尚、大きい企業に勤められている方であれば、労働が正社員の4分の3未満であっても、下記5つの条件を全て満たすと被保険者になります。

①週の所定労働時間が20時間以上

②勤務期間が1年以上見込まれること

③月額賃金が8.8万円以上

④学生以外

⑤従業員501人以上の企業に勤務していること *

2020年3月3日現在、この要件に対する見直し案が閣議決定されました。今後は厚生年金の加入者を増やすため、従業員規模の少ない中小企業も対象となります。2022年10月には従業員101人以上を、2024年10月には従業員51人以上の企業が対象となります。

労働契約期間が短い雇用モデルの場合

この場合は、被保険者になれるかどうかが、それぞれ一定期間を超えて働くかどうかで判断されます。

被保険者とされない人 被保険者となる場合
日々雇い入れられる人 1か月を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる
2か月以内の期間を定めて使用される人 所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる
所在地が一定しない事業所に使用される人 被保険者になれない
季節的業務(4か月以内)に使用される人 継続して4か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる
臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人 継続して6か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる

厚生年金保険料の金額(計算式)

厚生年金保険の保険料は、収入によって変わります。

月収と賞与を合わせた[年間の平均月収]に対して、保険料率が掛け合わせられ、その保険料の半分を事業主が、もう半分を被保険者が支払います。

保険料の計算式:[標準報酬月額]×[1000分の183]+[標準賞与額]×[1000分の183]

この計算で算出された金額の半分を被保険者が納めている形です。

標準報酬月額・賞与額など、更に詳しく知りたい方は、下記の参考サイトをご覧ください。 

厚生年金保険の種類

厚生年金保険の種類は3つあります。

  • 老齢厚生年金
  • 障害厚生年金
  • 遺族厚生年金

関連記事で詳細を解説しているので、参考にしてみてください。

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強制適用事業所が加入しなかった場合

万が一、あなたのお勤め先が強制適用事業所であるにも関わらず、厚生年金保険に未加入の場合は、会社側へ罰則があります。

発覚した場合は、加入勧奨状や年金事務所への来所通知書などが、会社宛に届いたりします。

法律上は、

  • 6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処します
  • 最大2年分遡って徴収します

と定められています。

この2年の間に退職した社員の分まで支払いを求められ、その場合、事業主負担分に加えて、退職社員分の負担も全額負わなければいけないので、事業主にとってもデメリットしかないですね。。

それなのにうちの会社は厚生年金に入っていないようなのですが。。。

それは大変ですね。。直接会社へ加入を申し入れられればいいのでしょうが、言いづらいと思いますので、そんな時はお近くの年金事務所へ相談してください。

厚生年金保険に未加入の会社にいると、国民年金を払う意識も薄れるでしょうし、そうなると年金の保険料に未払いの期間が生まれ、将来的に受け取れる年金の受給額も大きく減少、最悪の場合、受給できなくなるなんてことにもなりかねません。

もしこの記事を読まれている方の中に、事業主の方がいらっしゃいましたら、早急に加入手続きをしてください。

事業者が行うべき手続き

厚生年金保険の加入には従業員ではなく事業主が手続きを行う必要があります。

会社が強制適用事業所に該当するにいたってから5日以内に、「新規適用届」を提出する必要があります。

また、新たに従業員を採用するごとに、「被保険者資格取得届」を提出する必要があります。こちらも雇い入れてから5日以内です。

手続きが面倒だなと感じられたら、社会保険の専門家である「社会保険労務士」さんへ相談することをお勧めします。

会社のため、働く従業員のためにもきちんと手続きをしましょう。

まとめ

厚生年金保険のポイントを整理します。

  • 厚生年金保険は老後保障だけじゃなかった
  • 厚生年金保険料は収入の額によって変わる
  • 厚生年金保険料の半分は会社が負担していた

収入によって保険料が変わりますが、これは保険料だけでなく将来受給できる年金の額にも影響します。

年金の受給内容については、今後あらためて別な記事でも詳しく紹介したいと思います。

老後の年金は、下記の記事がおすすめです。

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