年金

3分でわかる遺族年金|誰がいくらもらえるのか受給金額など解説

1月 28, 2020

3分でわかる遺族年金|誰がいくらもらえるのか受給金額など解説

遺族年金とはどんな制度かご存知ですか?

ここでは遺族年金の対象者や、年金の支給条件、支給金額などを解説します。

遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金や厚生年金保険に加入していた被保険者が亡くなってしまった場合に、残された一定の家族に年金を支給する制度です。

老後にもらう年金とは異なる制度で、国民年金の「遺族基礎年金」と厚生年金保険の「遺族厚生年金」があります。

それぞれ亡くなられた方が加入して、保険料を納めていれば、対象の年金をもらうことができます。

残された家族との関係性や年齢によって、支給条件や支給順位が決められます。

条件を満たせば「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の両方を同時に受給することも可能です。

それでは、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の概要について見ていきましょう。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は下記の通り定められています。

国民年金の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた「子※のある配偶者」または「子※」が、遺族基礎年金を受け取ることができます。

※子とは

18歳になった年度の3月31日までの間にある子。(受給要件を満たした国民年金または厚生年金保険の被保険者(被保険者であった方)が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象となります。)
・20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。
・婚姻していないこと。

引用:遺族年金|日本年金機構

ポイントを整理します。

  • 子どものいる妻、もしくは夫か、子どもが受給の対象
  • 子どもがいない場合、配偶者でももらえない
  • 子どもは高校生までか、20歳未満で一定の障害状態が対象

遺族厚生年金

厚生年金保険の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた遺族が、遺族厚生年金を受け取ることができます。

引用:遺族年金|日本年金機構

ポイントを整理します。

  • 配偶者、子ども以外の家族も受給対象になる

「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の大きな違いは、受給対象となる家族の範囲ですね。

詳しくはこの後でご紹介します。

対象者・条件|誰がもらえるの?

遺族年金はどんな人がもらえるのか。

もらうための条件や対象者を詳しく見ていきましょう。

条件
  1. 亡くなられた方が国民年金か厚生年金に加入していること
  2. 亡くなられた方が保険料の納付要件を満たしていること
  3. 一定の条件を満たす家族の範囲であること

保険料の納付要件、家族の範囲については詳細を補足いたします。

保険料の納付要件

遺族基礎年金|国民年金

国民年金の「遺族基礎年金」を受給するための保険料納付要件は、下記の通り定められています。

被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

引用:遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

ポイントを整理します。

亡くなられた方が、下記に該当すれば要件を満たしたことになります。

  1. 亡くなった方が25年以上保険料を納付していること(免除期間を含む)
    且つ、それが加入期間の3分の2以上であること
  2. 65歳未満であれば、前1年間の保険料を滞納していなければOK

遺族厚生年金|厚生年金保険

厚生年金保険の「遺族厚生年金」を受給するための保険料納付要件は、下記の通り定められています。

1.被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)

※ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

2.老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

引用:遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

ポイントを整理します。

亡くなられた方が、下記のいづれかに該当すれば要件を満たしたことになります。

  1. 被保険者が亡くなったとき
    且つ、加入期間の3分の2以上、保険料を納付していること
  2. 被保険者期間中の病気や怪我が原因で5年以内に亡くなったとき
    且つ、加入期間の3分の2以上、保険料を納付していること
    *1,2共に、65歳未満であれば、前1年間の保険料を滞納していなければOK
  3. 1級もしくは2級の障害厚生年金を受けられる人が亡くなったとき
  4. 受給資格期間(納付もしくは免除期間)が25年以上あるものが亡くなったとき

国民年金に比べ、厚生年金の遺族厚生年金の方が、要件を満たせる可能性が広くなっています。

また、「遺族基礎年金」にしても「遺族厚生年金」にしても、65歳未満であれば過去にどれだけ保険料を滞納していても、亡くなる前の1年間にきちんと納付すれば、受給条件を満たすことができます。

但し、こちらは令和8年4月1日前までの措置となっております。それ以降は未定なのでご注意ください。

対象となる家族の範囲

遺族基礎年金|国民年金

国民年金の「遺族基礎年金」を受給することができる家族の範囲は、下記の通り定められています。

★死亡した者によって生計を維持されていた、

(1)子のある配偶者 (2)子 

子とは次の者に限ります

・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

引用:遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

こちらは前述の内容と変わりありません。

遺族厚生年金|厚生年金保険

厚生年金保険の「遺族厚生年金」を受給することができる家族の範囲は、下記の通り定められています。

死亡した者によって生計を維持されていた、

子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)

55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)

※子のない30歳未満の妻は、5年間の有期給付となります。

※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

引用:遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

ポイントを整理します。

下記に該当する家族は対象となります。

関係 条件
亡くなった方と生計維持関係
55歳以上で亡くなった方と生計維持関係
(支給開始は60歳から。「遺族基礎年金」を受給中に限り、遺族厚生年金も併せて受給できる)
亡くなった方と生計維持関係(高校生まで、もしくは障害1~2級該当の20歳未満)
父母 55歳以上で亡くなった方と生計維持関係(支給開始は60歳から)
亡くなった方と生計維持関係(高校生まで、もしくは障害1~2級該当の20歳未満)
祖父母 55歳以上で亡くなった方と生計維持関係(支給開始は60歳から)

妻は、30歳未満で子どもがいない場合、遺族厚生年金の給付は5年間の期限付きとなります。

生計維持とは
生計維持とは下記の通り定められています。

「生計を維持されている」とは、原則として次の要件を満たす場合をいいます。

・同居していること(別居していても、仕送りしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)。

・加給年金額等対象者について、前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。

引用:生計維持|日本年金機構

ポイントを整理します。

  • 同居していること
  • 同居していない場合は扶養に入っていること
  • 年収が850万円未満であること(所得で655.5万円未満)

尚、受給できる該当者が複数いる場合は、次の順に優先して支給されます。

妻、夫、子、父母、孫、祖父母の順です。

以上の条件を満たしている方が、遺族年金の受給対象者となります。

補足
配偶者の方がおらず、他の遺族が受給する場合であって、対象者が2人以上いる場合は、その受給対象となる人の数で割った金額がそれぞれに支給されます。

受給金額|いくらもらえるの?

金額は国民年金と厚生年金保険で異なります。

遺族基礎年金|国民年金

国民年金の「遺族基礎年金」は下記の計算式で算出されます。

老齢基礎年金の満額(780,100円)+ 子の加算

子の加算
第1子・第2子:一人につき224,500円
第3子以降:一人につき74,800円

配偶者がおらず、子どものみが受給対象となる場合の注意点です。
子どものみが「遺族基礎年金」を受給する場合の『子の加算』は第2子以降について行います。また、子ども1人あたりに支給される年金額は、上記で算出された年金額を子どもの数で割った金額となります。

具体的な受給金額もイメージしてみましょう。

夫を亡くした「妻」と「子(18歳未満)」がいる場合の遺族基礎年金の額は、1,004,600円(=780,100円+224,500円)になります。月額に換算すると約8.3万円ですね。

遺族厚生年金の要件を満たしている方であれば、これに加えて遺族厚生年金が支給されます。

遺族厚生年金|厚生年金保険

厚生年金保険の「遺族厚生年金」は次のように計算します。

通常の年金額は、《1》の式によって計算されます。

但し、《1》の式によって計算された額が、《2》の式によって計算された額を下回る場合には、《2》の式によって計算された額が年金額となります。

《1》報酬比例部分の年金額(本来水準)

報酬比例部分の年金額(本来水準)

引用:遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

《2》報酬比例部分の年金額(従前額保障)

(従前額保障とは、平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したものです。)

画像報酬比例部分の年金額(従前額保障)

引用:遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

これだけだとややこしいですね。

平均報酬月額は収入を現します。『収入』と『被保険者期間』によって、年金額が変動します。

被保険者期間は、基本的には保険料を納付した期間がカウントされますが、支払いの免除を受けた場合はその期間もカウントされます。

尚、『被保険者期間』が短い方が亡くなった場合でも、支給額を計算する際に300月で計算する《300月保障》があります。

前述の納付要件におけるポイントの1~3がこれに該当します。

300月は年にすると25年なので、20歳から加入していたとしても45歳まで保険料を納めなければ、300月分の年金はもらえません。《300月保障》のおかげで、例えば万が一、旦那さんを若くして亡くした場合でも、300月で計算した分の遺族厚生年金を残された家族が受け取ることができるのです。

具体的な金額もイメージしてみましょう。

亡くなった方の『収入』と『被保険者期間』の違いで、どの程度の金額になるか整理してみます。

遺族厚生年金|受給金額の計算例

収入
(平均標準報酬額)
厚生年金の加入期間
25年(300月) 30年(360月) 35年(400月) 40年(480月)
15万円 ¥184,984 ¥221,981 ¥258,977 ¥295,974
20万円 ¥246,645 ¥295,974 ¥345,303 ¥394,632
30万円 ¥369,968 ¥443,961 ¥517,955 ¥591,948
40万円 ¥493,290 ¥591,948 ¥690,606 ¥789,264
50万円 ¥616,613 ¥739,935 ¥863,258 ¥986,580

前述の計算式《1》を用いて、全て平均標準報酬額として算出しています。
(平均標準報酬額×5.481/1000×月数×3/4で計算)

ここではあくまでもイメージを掴みやすくすることを目的としておりますので、個別の正確な金額はお近くの年金事務所で確認するか、社労士さんに相談しましょう。

例えば、月収30万円の旦那さんを若くして亡くした場合、《300月保障》が適用され、残された妻に369,968円が遺族厚生年金として支給されます。月額に換算すると約3万円です。

子のある配偶者と子は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給対象となります。

前述の遺族基礎年金の計算例と足し合わせると、このケースでは約11.3万円が月額の遺族年金となります。

受給期間|どれくらいの期間もらえるの?

遺族年金は、基本的には継続的に受給することができます。

但し、下記の条件に該当する場合は、受給資格を失い、受給できなくなります。

  • 結婚した場合
  • 子どもが年齢条件を満たさなくなった場合
  • 誰かの養子となった時(直系血族・姻族の養子となった場合は除く)

その他やや細いルールもあるため、詳細が気になる方は下記も確認ください。

受給方法・申請手続き|どうやったらもらえるの?

遺族年金は手続きが少々面倒なため、社会保険労務士さんへ相談するのがオススメです。

初回の相談は無料で対応してくるところも多いです。ホームページなどで、相談料を事前に確認して問い合わせてみるのがよいでしょう。

とりあえず自分でやってみようと思った方は、お近くの市役所や年金事務所などで相談してみましょう。そこで難しいと思ったら、社労士さんに相談でもいいですね。

まとめ

ポイントを整理します。

  • 遺族年金は亡くなった方が保険料を納付しているともらえる
  • 国民年金は配偶者と子どもだけだが、厚生年金はその他の家族も対象
  • 結婚したり、年齢が変わると受給権利が失くなることもある

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Shahot編集部 【監修】鈴木社会保険労務士事務所

Shahot編集部です。 わかりづらいことが多い社会保障制度。誰でもわかりやすく、使いやすくなるような情報を発信します。 社会保障の専門家である社会保険労務士が記事を監修しています。 [→Shahotとは

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